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エンドユーザーエクスペリエンス管理とは?重要性や具体的な方法を解説

社会的にDXやテレワークが促進されるに従い、今日のIT業界においては「エンドユーザーエクスペリエンス管理」の重要性が強調されるようになりました。本記事では、このエンドユーザーエクスペリエンス管理とは何かについて解説するとともに、Microsoftのサービスを活用し、これを実現する具体的な方法をご紹介します。

エンドユーザーエクスペリエンス管理とは?重要性や具体的な方法を解説

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エンドユーザーエクスペリエンス管理とは

エンドユーザーエクスペリエンスとは、エンドユーザーの利用状況を監視・分析し、システムやアプリケーションのUX向上を実現する取り組みを指します。

そもそもエンドユーザーエクスペリエンスとは、顧客にとってそのシステムやアプリケーション、コンテンツがどのような価値をもつかを決定づけるものです。エンドユーザーエクスペリエンスは、アプリケーションのデザイン、ナビゲーション、操作のしやすさ、ページのダウンロードやレンダリングの素早さなど、数多くの要素から構成されています。

このエンドユーザーエクスペリエンスをモニタリングすることで、IT部門はエンドユーザーの観点からアプリケーションやデバイスのパフォーマンスを把握し、ユーザーから真に求められている改善策を実施しやすくなります。

エンドユーザーエクスペリエンス管理の重要性

では、エンドユーザーエクスペリエンス管理が重要視されている理由とは何なのでしょうか。

現代は大量の類似製品・類似サービスが市場に溢れていることから、単純な機能・性能だけでは競合他社との差別化を狙うのが難しくなっています。これはデジタル産業においても同様で、「単に~ができる」というだけでは、ユーザーの心を掴むことはできません。そこで重視されるようになったのが、ユーザーがその製品・サービスの利用を通して、どのような感情的価値を抱くかということ、すなわちUXです。

とりわけ昨今のデジタル社会において、ITを活用するのは、何も専門知識をもったIT人材だけではなくなっています。現場でITを活用する際には、「どれだけ高機能か」よりも、「どれだけ自社の業務にマッチしているか」「どれだけ使いやすいか」といったことのほうがしばしば重要になるのはいうまでもありません。

それゆえ、たとえシステムの導入をIT部門が主導したとしても、そのシステムが自社に与える価値を評価する際は、それを実際に使用しているエンドユーザーの体験価値を考慮することが欠かせません。

このようにエンドユーザーエクスペリエンス管理は、製品・サービス品質の把握や向上などの面から第一に重要ですが、それ以外の活用法もあります。たとえば、コロナ禍においてはテレワークが急速に広がり、上司が直接的に部下のマネジメントを行うことが難しくなりました。しかし、エンドユーザーエクスペリエンス管理を活用すれば、アプリケーションやシステムの利用状況をモニタリングすることで、従業員の仕事状況やパフォーマンスを可視化できます。

このように社会的な需要が増す中、エンドユーザーエクスペリエンス管理の市場は急速に発展しています。実際、SDKI Inc.の試算によると、エンドユーザーエクスペリエンス管理の市場規模は平均20.7%の成長率で年々成長していき、2030年には98.5億米ドルに達すると予想されているのです。

Microsoft 365における具体的なエンドユーザーエクスペリエンス管理

続いては、Microsoft のサービスを活用して、エンドユーザーエクスペリエンス管理を実現する具体的な方法について解説していきます。

Microsoft Teamsのカスタマイズでワークフォース管理

まず活用したいのが、Microsoft Teamsのカスタマイズ機能によるワークフォース管理です。いくら優秀なソリューションでも、ばらばらにしか活用できないなら、スマートなエンドユーザーエクスペリエンスは実現できません。その点、Microsoft Teamsであればコミュニケーションやタスク管理、スケジュール管理など、従業員のマネジメントに必要な機能がひとつにまとまっているためおすすめです。

Microsoft Teamsはさまざまな仕方でプラットフォームをカスタマイズできるうえ、インターフェイスも使いやすいので、管理者は自分の時間を節約して生産性を向上させたり、従業員とのコミュニケーションを活性化させたりできます。

Intuneにおけるエクスペリエンス管理

Microsoft 365では、ポリシーの設定を行うことで、Microsoft Intuneにおけるエクスペリエンスの管理が行えます。Microsoft Intuneとは、モバイルデバイスやモバイルアプリの管理に適したサービスです。Microsoft Intuneを活用することで、組織は個々の従業員が使用するデバイスの制御をしたり、従業員のデバイスを業務に転用(BYOD)したりすることが可能になります。

また、Microsoft Intuneでは、エンドユーザーエクスペリエンスをカスタマイズすることで、個々のエンドユーザーの好みに合わせて「組織名」「カラー」「テーマの色」「ヘッダーの表示」などを変更可能です。これらのカスタマイズにおいては、組織のロゴやブランドイメージなどを活用できます。

Azure Active Directoryをつかったアプリケーション表示の管理

Azure Active Directory (Azure AD)の活用により、エンドユーザーがアクセスしやすいようにアプリケーションの表示を修正することも可能です。これには以下の4つのカスタマイズ方法があります。

  • Azure AD のマイアプリ
    Webベースのポータルでアプリケーションの表示方法を編集できます。たとえば、関連性に基づいてアプリを分類表示することも可能です。
  • Microsoft 365 アプリケーション起動プログラム
    これはMicrosoft 365 を使用している組織向けの方法です。Office 365ポータルを利用して、エンドユーザーが簡単にアプリを起動することを可能にします。
  • フェデレーションアプリへの直接サインオン
    これはAzure AD を経由して、SAML 2.0/WS-Federation/OpenID Connect に対応しているフェデレーションアプリにサインインする方法です。
  • 直接サインオンのリンク
    Azure AD では、シングルサインオンに対応したアプリケーションに対して、直接シングル サインオンリンクを活用したサインイン方法もサポートしています。

エンドユーザーエクスペリエンス管理におけるポイント

続いては、エンドユーザーエクスペリエンス管理を実行する際のポイントを解説していきます。

エンドユーザーエンゲージメント

ポイントその1は、エンドユーザーエンゲージメントを把握することです。これは簡単にいうと、エンドユーザーがその製品からしっかりと価値を受け取れているかどうかを示す指標です。これを把握することで、生産性に影響を与えている問題を発見し、課題解決の促進や業務効率の低下を最小限に抑えることが可能となります。

ペルソナ管理

ポイントその2は、エンドユーザーのペルソナ管理です。どのようなエクスペリエンスに価値を感じるかは、ユーザーごとに異なります。したがって、個々のエンドユーザーのニーズに適したエクスペリエンスを提供できるように、細やかなペルソナ管理の実施が重要です。

レガシーシステムからの脱却

ポイントその3は、レガシーシステムからの脱却です。レガシーシステムとは、長年にわたってカスタマイズを繰り返してきたために、ブラックボックス化してしまったシステムを意味します。レガシーシステムをそのまま運用していては、エンドユーザーエクスペリエンス管理の運用もままならないので、システムのモダナイズが必要です。

クラウドシステムの導入がエンドユーザーエクスペリエンス管理のカギ

エンドユーザーエクスペリエンス管理を推進する際には、クラウドシステムの導入がカギとなります。エンドユーザーエクスペリエンスを向上させるには、個々のユーザーの利用状況やニーズを把握し、迅速かつ柔軟に製品の導入やカスタマイズをすることが重要です。この点、クラウド製品は速度とスケーラビリティに優れており、エンドユーザーエクスペリエンス管理を実施するのに最適といえます。コストを抑えて管理・導入が可能なのも、クラウド製品の魅力のひとつです。

まとめ

エンドユーザーエクスペリエンス管理とは、エンドユーザーのシステム利用状況のモニタリングを通して、UXを改善するための取り組みです。Microsoft 365には、エンドユーザーエクスペリエンス管理を実現するためのさまざまな機能が搭載されているため、ぜひご活用ください。

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