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今更聞けない!?OKRについてわかりやすく解説

組織における目標管理方法としてはMBO、KPI、そしてOKRという手法が一般的です。これらはビジネス用語として既に広く浸透した感がありますが、それだけに正確な意味を改めて人に聞けないまま、曖昧な理解で使っている人も多いようです。そこで本記事では、OKRの概要や、実施時のポイントなどについてわかりやすく解説します。

今更聞けない!?OKRについてわかりやすく解説

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OKRとは?

OKRとは、「Objective and Key Result」の略です。これは日本語に訳すと「目標と主要な結果」という意味を持っています。OKRは組織の目標とそれに対する成果を明確にすることで生産性の向上等を図るマネジメント手法です。アメリカIntel社のCEOなどを歴任したアンドリュー・グループ氏が考案したものであり、1970年代からIntelで活用され始めました。その後、Googleなどの世界的企業も次々と導入したことにより大きな注目を集め、いまでは多くの企業に取り入れられています。

OKRの意味と仕組み

OKRは大きく分けてく2つの要素、「O: Objectives」と「KR: Key Results」によって構成されています。それぞれの内容は以下の通りです。

【O:Objectives】

まずは「O」=「Objectives」、つまりは組織の成長の指針となる目標です。OKRにおいては組織と個人の双方に対して定性的な目標を設定し、その達成を目指してビジネスパフォーマンスを上げていくことを狙いとします。その目標設定に際してはいくつかのポイントがあります。
第一のポイントは、期限付きの目標であることです。OKRにおいては通常、1ヶ月から四半期ごとに期限を区切って取り組むべき目標を設定します。

第二のポイントは、チームや個人のモチベーションを刺激するような野心的な目標を設定することです。達成が確実視されるようなハードルの低い目標では、チームや個人の成長を促すことになりません。そのため、OKRでは通常、6~7割程度の達成度に収まるような多少背伸びした目標を設定します。

第三のポイントは、組織で共有しやすいシンプルな目標を設定することです。細目や条件の付いた目標を設定するのではなく、覚えやすい単純な目標にすることで、組織全体で足並みを揃えて課題解決に取り組みやすくなります。組織と個人の目標設定が矛盾なく同じ方向を向いていることも大切です。

【KR:Key Results】

続いては、「KR」=「Key Results」、先に設定した目標がどれくらい達成できたかを示す指標となる主要な成果です。

OKRでは、目標設定に関しては定性的な内容でよいとされていますが、それを評価する指標については数値で測れる定量的な指標にすべきとされています。つまり、グレーゾーンや疑問の余地がないように検証可能な指標を用いるのです。ひとつの目標に対応する指標は3つ前後、おおよそ2個から5個程度に留め、誰の目にも達成度合いを分かりやすくすることも大切です。

また、先述のようにOKRにおける目標は挑戦的なものであって、確実に達成すべき「ノルマ」ではありません。そのため、目標に対して100%の成果を出す必要はなく、人事評価においても成果よりむしろ、そこに至るまでのプロセスを評価することが重要となります。

OKRを導入するメリット・デメリット

続いては、導入することで企業が得るメリット・デメリットを紹介していきます。

OKRを導入するメリット

主なメリットとしては、目標の明確化や組織の統一、従業員エンゲージメントの向上などが挙げられます。

OKRにおいては組織・個人両方の目標を明確化してその達成を目指していきます。これにより、従業員は自社がどのようなビジョンを持っていて、自分にはどのような働きが求められているのか理解しやすくなります。その結果、企業・個人共に目標や課題が明確化し、効率的にその達成や解決に取り組めます。

また、そうして目標を共有し、達成を目指す過程においてはコミュニケーションの活性化や従業員間・部署間の連携強化なども見込めます。その結果、組織の意思統一や組織力の強化などの効果が期待できます。

モチベーションを高めるような、やりがいのある目標に向けて働くことは従業員エンゲージメントを高める効果もあります。先述したようにOKRでは企業と個人の目標がリンクするように目標を設定するので、自社への共感性や愛着心が高まり、積極的に仕事へ従事しやすくなります。

OKRを導入するデメリット

上記のような利点があるOKRですが、誤った運用をしたり、十分な知識がないままに導入したりすると、かえって自社にデメリットが生じることもあります。

第一に懸念すべき点は、従業員のやる気が低下することです。OKRにおける目標はノルマとは異なりますが、この理解が不十分だと、従業員には無力感ばかりが募りかねません。そのため、導入する際には、そこで設定される目標の達成は絶対必要な義務ではないことを周知する必要があります。

また、OKRにおいては、企業全体、各部署や各チーム、各従業員など複数の階層ごとに目標を設定します。この際、目標設定の統一性がしっかり取れていないと、目標間で矛盾や齟齬が生じてしまい、かえって効率性の低下が生じる場合があります。さらに、もし組織と個人の目標や希望の整合性が取れていない場合は、ここでも従業員のやる気が低下してしまう恐れがあります。

上記のことからもわかるように、OKRは他の目標管理方法とは異なった要素が多いため、従業員の理解が深まり、その効果が実感できるようになるまではある程度の時間を要することが予想されます。

OKRの運用方法とポイント

前項で挙げたようなデメリットを抑制し、メリットを最大化するためには、どのようにOKRを運用していけばいいのでしょうか。一般的には、以下のステップで進めていきます。

  1. 目標の設定(O)、
  2. 主要な成果の設定(KR)
  3. OKR共有
  4. フィードバック
  5. 成果の測定と評価

目標の設定

このステップでは、企業、部署、チーム、従業員など階層ごとの定性的な目標を決めていきます。自社の成長を加速するためには、目標を高く設定することが大切です。とはいえ、あまりに目標が高すぎても、従業員のやる気を削いでしまうかもしれません。
このため、ベストパフォーマンスや新たなアイデア等を発揮して達成できるかどうかというところに目標を置く「見極め」も必要になります。また、複数の目標のあいだで矛盾が出ないよう、企業全体の目標に沿うような形で他の目標も設定していきましょう。

主要な成果の設定(KR)

ここでは、目標の達成状況を可視化するための定量的な指標を決めます。成果の判定をするのは一般的には4半期くらいを単位とし、ひとつの目標ごとにおよそ3つ程度の指標を用います。

OKR共有

設定したOKRを全社的に共有することで、コミュニケーションの活性化や連携の強化などが期待できます。効率的に情報共有を行なうには、ITツールを活用するのがおすすめです。OKRに対する意識をしっかり根付かせることで、普段から目的意識の高い仕事が可能になります。

フィードバック

OKRの効果を高めるには、共有から測定までのあいだに、各個人の目標達成状況などを定期的に確認し、チーム内で評価やアドバイスをし合うなどフィードバックを繰り返すことが重要です。これにより従業員はOKRへの意識を改めて強く持ち、目標達成に向けてさらに効率的に取り組むことが可能になります。

成果の測定と評価

最後に行うのが成果の測定と評価です。ここでは各目標の達成状況を可視化し、今後の改善策や新たなOKRの設定に向けた検討を行います。また、こうした取り組み自体がコミュニケーションの活性化や、今後に向けたOKR最適化の促進に寄与することも期待できます。

まとめ

OKRとは挑戦的な目標と、それを評価する成果を設定し、組織の成長を促すマネジメント手法です。効率的実施のためには、全社的な情報共有や意思統一が重要です。Microsoft Teamsは組織のコラボレーションを強力に支援するクラウドソリューションです。OKRの導入に際してはぜひTeamsをご活用ください。

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