建設業における生産性向上の方法とは? 求められる背景や特例措置も紹介

 2022.07.30  Microsoft 365チャネル編集部

生産性を向上させたいものの、具体的にどう取り組めばよいのかわからない建設企業の経営者や担当者も少なくないでしょう。生産性が低い建設企業には、共通するポイントがあります。本記事では、建設業の生産性向上が求められる背景や取り組みの方法などについて解説します。

建設業における生産性向上の方法とは? 求められる背景や特例措置も紹介

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建設業に生産性向上が求められる背景

建設業においては、生産性の低さが以前より指摘されています。ヒューマンソリシアが運営する建設関連メディア「建設HR」の独自調査によると、2019年における建設業の労働生産性は3,008円と、全産業平均である4,779円を大幅に下回る結果となっています。建設業の労働生産性は長年にわたって横ばい・低下傾向で推移しており、他業種と比べて成長が停滞していることが浮き彫りとなっています。

その理由としては、職人1人あたりの労働時間が長く、改善が進まない状況が挙げられます。人手不足や育成の難しさなどにより、必然的に1人あたりの労働時間が長くなり、それが労働生産性の低下につながっているのです。

労働基準法の改正により、2024年からは建設業においても時間外労働の上限規制が適用されます。これまでのように長時間の残業ができなくなるため、建設企業はしっかりと対応を進めなくてはなりません。

生産性が低い建設業者の共通点

建設業界に限らず、生産性が低い企業の共通点には、従来から続く働き方への固執が挙げられます。新しいことや変化を好まず、古い考えや仕事への取り組み方に固執している企業は、生産性も低い傾向があります。

例えば、紙の稟議書を用いた稟議は、時間も手間もかかり非効率ですが、いまだに続けている企業は少なくありません。ワークフローシステムなどを導入すれば効率化できるにもかかわらず、「うちはこのやり方で続けてきたから」といった考えを持ち続けていると、古いやり方から抜け出せずにいつまで経っても生産性は低いままです。

建設業の生産性が低い理由

建設業の生産性が低い理由として、人手不足や職人の高齢化が挙げられます。また、「きつい・汚い・危険」のいわゆる「3K」のイメージが定着していることや、膨大かつ煩雑な事務作業が多いことも関係しています。

人手不足・高齢化による現場作業の遅延

建設企業の多くは深刻な人手不足に陥っており、生産性を高める取り組みにリソースを割けない現状があります。人手不足に陥る理由には、少子高齢化に伴ってそもそもの労働人口が減少していることや、3Kのイメージがつきまとう建設業が敬遠されている点などが考えられます。

また、土工やコンクリート工などの熟練工が高齢化傾向にあることも、生産性低下の理由です。建設現場の要である作業員の高齢化が進み、現場作業の遅延を招くケースが少なくありません。また、若手の後継人材が確保できないと、事業の継続性にも深刻な影響を及ぼしてしまいます。

長時間労働による劣悪な労働条件イメージ

建設業のイメージはあまりよくありません。仕事が「きつい、汚い、危険」という「3K」や、長時間労働を強いられるといった印象を持っている人が多いため、なかなか若い人材を確保できないのです。

また、いわゆる「体育会系」のイメージも強く、厳しく叱られる、パワハラが蔓延している、低賃金、仕事がアナログといったマイナスの印象を持たれることが多いのも事実です。そのため、新たな人材の獲得が難しく、労働生産性がますます低下していくのです。

膨大で煩雑な事務作業

建設業における業務は現場の作業に限らず、膨大な事務作業も付随します。例えば、工事の進捗や状況チェックのために数多くの写真を撮影する必要があり、管理にも手間と時間がかかります。

また、依頼を受ける前の見積もり作業や工程表、仕様書の作成など、煩雑な作業が発生します。これらの事務作業を全て手作業で行うとなれば、必然的に多大な時間と手間がかかるため、生産性の向上を阻んでしまうのです。

建設業が生産性向上を実現するための3つの方法

建設業が生産性を向上させるには、働き方改革の推進や従業員の平均スキルアップ、ICTの導入といった施策が必要です。現状におけるリソースを最大限に活用することを考え、限られた人材や時間で成果の最大化を実現することで生産性の向上を図ることが望まれます。

1.働き方改革を進める

働き方改革推進の一環として残業時間の削減に注力することで、生産性向上につながります。残業時間を削減するには、業務の効率化が不可欠です。例えば、オンラインで現場の状況をチェックできる環境を構築することで、現場監督が頻繁に複数の現場を巡回する必要がなくなります。

また、人事評価制度の見直しも必要です。年功序列を改め、成果や努力に応じた評価体制を取り入れることで、建設業のイメージをアップできれば人材を獲得しやすくなるでしょう。また、事務の担当者をテレワークにシフトさせるのもひとつの手です。

2.従業員の平均スキルを上げる

従業員の平均スキルが上がれば、今までと同じ労働時間であってもより多くの成果につながります。仕事のノウハウやコツをマニュアル化したり、日ごろから意識的に技術を継承したりすることで、平均スキルの向上につながります。

多能工を育成することも有効です。従来、建設業においては鳶工が足場の組み立てを、土工が土木作業を、配管工が各種配管を、といったように分業が一般的でした。1人でこれら複数の業務を遂行できる多能工を育成することにより、限られたリソースを最大限に生かせます。少ない人員で現場を回すことができるようになり、生産性も向上します。

3.ICTを導入する

近年では、建設現場にICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)を導入し、業務効率化や生産性向上を狙う動きが活発になっています。

代表的なICTの活用事例として、ドローンを用いた三次元測量が挙げられます。上空から画像や地形などの測量データを取得することで、危険な場所に従業員を向かわせる必要がなくなるのです。また、クラウドを活用した情報共有も、生産性向上に役立ちます。施工図や仕様書といった各種データをクラウドで管理することにより、現場においてタブレット端末などから即座に確認できます。

中小建設業の生産性向上への投資には特例措置がある

中小規模の建設企業にとって、生産性向上のために資金を調達することはハードルが高いです。しかし、現在は中小建設業向けの補助金や税制優遇制度が複数あり、それらを活用することで生産性向上への投資を低リスクで行えます。

IT導入補助金制度

「IT導入補助金」制度は、ITツールの導入を検討している企業を対象に、導入経費の一部を補助する制度です。ITツールの中には高額な製品もあるため、一部でも導入費用の補助を受けることで費用負担を大幅に軽減できます。

補助の対象となるのは、ソフトウェアやクラウドサービスの利用料、導入関連の費用などです。通常枠はA類型とB類型の2つあり、前者の補助額は30万円~150万円未満、後者は150万円~450万円未満、補助率は必要コストの2分の1以内です。

申請は、「IT導入補助金」の公式Webサイトにアクセスし、「申請・手続きフロー」をチェックした上で進めましょう。

中小企業経営強化税制

中小企業経営強化税制は、生産性向上や職場環境改善、働き方改革の推進などを支援するための制度です。経営力向上計画の認定を受けた企業に対し、税制上の優遇措置を取る制度です。

機械装置や器具備品、建物附属設備、ソフトウェアなどが対象で、勤怠管理システムやWeb会議システム、ビジネスチャットなど、テレワークに必要なツールも該当します。制度の対象者が細かく決められているため、事前に確認しておきましょう。

なお、制度の適用を受けるにあたり、経営力向上計画や認定書の写し、償却限度額の明細書などを添えて確定申告を行う必要があります。詳しくは、国税庁のホームページでチェックしましょう。

まとめ

生産性向上に取り組むことで、人手不足や高齢化による現場作業の遅延など、さまざまな課題を解決できます。ITツールを導入することで、効率的に生産性向上を進められるでしょう。ITツールの導入には補助金制度や税制優遇措置があり、比較的始めやすいためおすすめです。

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