昨年マイクロソフトが開催したカンファレンスの「Ignite(イグナイト)」にて、Office 2019のリリースが発表されました。具体的な発売日はまだ発表されていませんが、マイクロソフトによると2018年下半期を予定しており、今後5ヵ月以内にOffice 2019が発売されることは確かです。
Office 2019にはWord、Excel、PowerPoint、Outlook、OneNote、Access、PublisherなどのOfficeアプリケーションを含め、ExchangeやSharePoint、Skype for Businessなどのサーバーアプリケーションも含まれています。
今回はこのOffice 2019について、その特徴を整理すると共にOffice 2019の購入方法についてご紹介します。
Office 2019の特徴は?これまでと何が違う?
現時点で最新のOffice 2016からOffice 2019に移行することで、どういった違いがあるのでしょうか?今日まで発表された情報からその特徴をまとめました。
- システム要件はWindows 10 SAC、Windows 10 Enterprise LTSC、Windows Server 2019
- クライアントアプリは「Click-to-Run」でのみ提供される
- メインストリームサポート5年間、延長サポート2年間
- インク機能が改善され筆圧設定や傾き感知がサポートされる
- Excelで新しい関数とグラフが追加される
- PowerPointでモーフィングやズームといった効果が利用できる
まず注目すべきポイントはシステム要件が大きく変更される点です。Office 2016のシステム要件として、同アプリケーションが利用できるのはWindows 10、Windows 8.1、Windows 8、Windows 7 Service Pack 1、Windows Server 2016、Windows Server 2012 R2、Windows Server 2012、または Windows Server 2008 R2と幅広いOSに対応しています。
これに対し、Office 2019が対応しているOSはWindows 10のみなので、まだWindows 10へアップグレードしていない環境では利用できないということになります。これは多くの企業にとって現時点の環境を見つめ直す機会になるでしょう。
「Click-to-Run」というのはOffice 2013で始めた導入されたインストール方式であり、インストールやバージョンアップを簡素化して、常に最新のアプリケーションを利用できる状態にするものです。従来のインストール方法の主流であるMSIはサポートされていないので、これもOffice 2019の展開方法を再考する機会になるかと思います。
Office 2019のサポート期間はなぜ7年しかない?
すでにお気づきの方も多いでしょうが、Office 2019年ではメインストリームサポート期間が5年間、延長サポート期間が2年間の合計7年と従来に比べて短くなっています。従来はメインストリームサポートが5年間、延長サポートが5年間の合計10年間が通常です。
メインストリームサポートとは製品発売からその期間、セキュリティプログラムの更新に加えて仕様変更や機能追加なども含めて更新されるサポート機関です。メインストリームサポートが終了すると延長サポート期間に入ります。延長サポートでは仕様変更や機能追加はなく、セキュリティプログラムのみの更新になります。各バージョンのメインストリームサポートと延長サポートの期間についてまとめました。
製品 |
発売日 |
メインストリーム サポート終了 |
延長サポート終了 |
Office 2007 |
2007年1月30日 |
2012年10月9日 |
2017年10月10日 |
Office 2010 |
2010年6月17日 |
2015年10月13日 |
2020年10月13日 |
Office 2013 |
2013年2月7日 |
2018年4月10日 |
2023年4月11日 |
Office 2016 |
2015年9月30日 |
2020年10月13日 |
2025年10月14日 |
Office 2007はすでに延長サポートまで終了しており、Office 2010は延長サポート期間中にあります。Office 2013に関してはメインストリームサポートが終了し、セキュリティプログラムのみ更新されている状態です。
このようにいずれのバージョンもメインストリームサポートが5年間、延長サポートが5年間提供されています。では、なぜOffice 2019は合計で7年しかサポートが提供されないのか?マイクロソフトが更新したブログエントリ※1によれば「Office 2016のサポート終了時期(2025年10月14日)に一致させるため」と説明しています。
実は、Office 2019で実装される新機能はOffice 365で提供されているOffice 2016にすでに実装されています。これはOffice 365が永続ライセンス型として提供されているOffice 2016と違い、継続的に機能や仕様の更新がされてるため、Office 2019に実装される機能はすでにOffice 365で提供されているのです。
そのため、Office 2019のサポート終了時期はOffice 2016に一致していると考えられます。
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Office 2019を購入する方法は?
従来のMicrosoft Officeリリースにならえば、Office 2019のボリュームライセンスが先行的に発売されることになります。個人利用向けのOffice 2019は2週間後程度になるでしょう。そのため企業がOffice 2019を購入するにはボリュームライセンスを購入するか、あるいはOffice 365を契約するという選択肢があります。
Office 365は常に最新のMicrosoft Officeを提供しているサービスなので、現時点でOffice 365を契約していればOffice 2019がリリースされる際に追加費用無しでアップグレードすることができます。しかも、Office 2016が発売された際はOffice 365ユーザーに先行リリースされたので、Office 2019でも先行リリースされる可能性が高いでしょう。
Office 365を契約する場合は、次のプランと月額料金でご利用できます。
プラン |
価格(1ユーザーあたりの月額料金) |
Office 365 Business Essentials |
540円 |
Office 365 Business |
900円 |
Office 365 Business Premium |
1,360円 |
Office 365 ProPlus |
1,310円 |
Office 365 Enterprise E1 |
870円 |
Office 365 Enterprise E3 |
2,180円 |
Office 365 Enterprise E5 |
3,810円 |
まとめ
Office 2019の明確な発売日が決まってはいませんが、着々と近づいています。徐々に新しい情報が発表されているので、続報を待ち、その動向に注目しましょう。
※1 「Office と Windows のサービスとサポートの変更」
※本記事の内容は製品発売前の情報に基づいています。製品発売後に内容が変わる可能性がありますのでご了承ください。
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- Office 2019