Skype for Business Server 2019のポイント

 2018.10.04  Office365編集部

Officeのサーバー製品であるExchange Server, SharePoint Server, Skype for Business Serverは従来から企業や組織のコラボレーション基盤を担ってきました。そのなかでも、リアルタイムコミュニケーションのサービスを提供するのがSkype for Business Serverです。

2018年下半期には、その次期バージョンであるSkype for Business 2019が提供される予定です。今回はその概要をまとめてみたいと思います。

※リリース前の情報ですので、リリース時には内容が変更になる場合がありますのでご了承ください。

Skype for Business Serverのおさらい

Skype for Businessという名称は比較的新しい製品に感じる方も多いでしょう。しかし、この製品には非常に長い歴史があります。古くはExchange 2000 Serverの追加機能であったExchange 2000 Conference Serverにその起源を有し、その後Live Communications Server 2003(LCS)として独立した製品となります。Live Communications Server 2005にバージョンアップされ、その次バージョンはOffice Communications Server 2007に改称されます。

さらに、2012年にLync Server 2013がリリースされ、再度名称が変更されます。PBXとの連携などを強化し、より企業レベルでのコミュニケーション基盤としての位置づけを強固にしました。

このように非常に歴史のある製品であり、一貫してプレゼンス管理やチャット、音声や動画のチャット、Web会議などリアルタイムコミュニケーションの機能を提供し、メールなどの非常期的なコミュニケーションが中心だった時代から、コミュニケーションの効率化の支援をしてきました。

また、ExchangeやOutlookの連携機能も提供されており、メールやスケジュールとのシームレスな連携で高い利便性を提供してきたのも特徴です。

Office 365との関係

一方で、OfficeのアプリケーションやサーバーサービスのクラウドサービスであるOffice 365の前身であるMicrosoft Business Productivity Online Suite (BPOS)からOffice Communication Onlineとして提供され、現在のSkype for Business Onlineに引き継がれています。Skype for Business OnlineはOffice 365のサービスのひとつとして提供されています。

Skype for Businessはチャットや音声のコミュニケーション、Web会議など、リアルタイムなコミュニケーションを提供するため、よりクラウドのサービスに適しているソリューションです。データの移行なども基本的に発生しないため、クラウドサービスに移行しやすいともいえるでしょう。そのため、オンプレミスのサーバーを利用しなければいけない要件は多くありません。それでも企業や組織のポリシーによってオンプレミスのサーバーで利用しなければいけないこともあるでしょう。

VDI環境でのSkype for Businessの利用

非常に柔軟性が高く、様々なデバイスで利用できるSkype for Businessですが、VDI環境で利用する場合には注意が必要です。VDIとは、ユーザーのデスクトップ環境(OSやアプリケーション)をデータセンター側に集約して実行し、ユーザーはネットワーク経由でデスクトップ環境を遠隔操作して利用するソリューションです。

従来はシンクライアント端末と組み合わせて、情報漏えい対策などで利用されていましたが、最近は働き方改革をサポートするプラットフォームとして期待されており、どのような端末でも安全に場所を問わずに利用できるメリットが注目されています。

このVDI環境でSkype for Businessを利用する場合には、そのままSkype for Businessクライアントをインストールして利用すると、すべての音声や動画のやり取りがデータセンターのデスクトップを経由し、パフォーマンスに影響が出ます。これを回避するために、音声などのリアルタイム性が要求される通信は端末側にオフロードし、データセンターのデスクトップを経由せずに直接通信するソリューションが用意されています。

その一つが、マイクロソフトが提供しているLync VDIプラグインです。これを使用する場合には、Lync Server (Skype for Business Server)の設定を変更する必要があり、Skype for Businessに対応していません。そのため、オンプレミスのサーバーを利用する必要があります。

しかしながら、たとえば主要なVDIソリューションベンダーであるシトリックスが提供するSkype for Business用のHDX RealTime Optimization Packを利用すればSkype for Business Onlineにも対応します。セキュリティ向上やテレワークのためにVDIを検討し、同時にSkype for Businessを活用したい場合にはぜひご注意いただきたいポイントです。

Skype for Business 2019の新機能

ユニファイドコミュニケーションとコラボレーションテクノロジは、Microsoft TeamsとOffice 365のクラウドでの提供が主要な方向性です。しかしながら、すべての環境でクラウドサービスに移行できない事実もあります。そのため、Skype for Business Server 2019の最大のコンセプトは、オンプレミスの環境で主要なクラウド機能を利用できるようにすることです。現在提供されているプレビューには4つの主要機能が含まれています。

クラウドボイスメール

Skype for Business Server 2019とExchange Server 2019を組み合わせると、クラウドボイスメールを使用してボイスメールサービスが提供されます。これにより、Exchange Server 2019では提供されないユニファイドメッセージングの代替手段が提供されます。クラウドボイスメールでは、ボイスメールメッセージは引き続きユーザーの電子メール受信ボックスに格納されます。現在ユニファイドメッセージングを使用しており、Exchange Server 2019への移行を計画していてSkype for Business Serverを利用する場合には、最初にCloud Voicemailの計画と導入を行う必要があります。以前のバージョンのExchangeを使用しながらSkype for Business Serverを利用する場合には、サポートされている範囲でExchangeでユニファイドメッセージングが提供するボイスメール機能を引き続き使用できます。

クラウドオートアテンダント

オンプレミスを利用している場合は、常に最新のバージョンの自動更新を使用できるように、クラウド自動更新のサポートを開始します。クラウドオートアテンダントは今年後半に利用可能になる予定です。

クラウドコールデータコネクタ

コールアナリティクスは、Office 365の管理と管理のためのコアエクスペリエンスに統合されています。これにより、Skype for Business Serverに加えて、通話の品質データをOffice 365にアップロードできるようになりました。クラウドバージョンの最新の拡張機能を使用して、診断プログラムの統合ビューを表示することができます。クラウドでレポートを更新すると、顧客はこれらの機能拡張を利用することができます。オンプレミス顧客のためのクラウドでのCQD(コール品質ダッシュボード)エクスペリエンスは、今年後半に利用可能になります。

シンプルになったクラウドへの移行

オンプレミスを利用する場合には、オンプレミスのサポートが必要な一方で、最終的にはクラウドに移行することを認識しています。顧客への移行を容易にするために、チームに移行するための手順などがさらに簡素化されました。

Skype for Business Server 2019への移行とOffice 365

Skype for Business Serverのバージョンアップをする際にもう一つ検討しなければいけないのがライセンスです。オンプレミス用のサーバーは、従来通りCAL(クライアントアクセスライセンス)が必要であり、このライセンスはバージョンごとに準備しなければならないからです。

一方、Office 365ではサブスクリプションであるため、ライセンスに関して個別のバージョンを意識する必要はありません。また、ユーザーサブスクリプションライセンス(USL)であれば、オンプレミスのサーバーの利用権も含まれています。つまり、いますぐすべてオンラインサービスに移行しなくても、オンプレミスのサーバーへのアクセスも可能であるため、段階的な移行も行いやすいライセンス体系となっています。

まとめ

以上のように、Skype for Business Server 2019は従来の位置づけを維持しながらも、今後のクラウドへの移行を見据えた際のひとつのステップとしての位置づけも担うバージョンとして設計されています。

コミュニケーションはより場所やデバイスを問わずに利用できることが求められてきています。その中で、コミュニケーション基盤のクラウド化は必然の流れともいえるでしょう。しかしながら、様々な制約によってすぐにクラウドへの移行ができない場合には、あわせてSkype for Business Server 2019への移行もご検討いただければと思います。

Microsoft 365 Business カタログ

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