Microsoft Teamsは「Office 365」で提供されるチャットツールです。あれ?Office 365のチャットツールといえばといえばSkype for Businessじゃないの?という声が聞こえてきそうですね。確かに、Office 365ではオンライン会議のSkype for Businessがチャットツールとしての役割も兼用していました。しかし2017年3月にMicrosoft Teamsがリリースされたことで、Skype for BusinessからMicrosoft Teamsへとチャットツールとしての役割が移行しています。
このことについては、Office 365担当のCVP(コーポレート・バイス・プレジデント)であるRon Markezichは「Office 365を通じてクラウド・サービスを利用するMicrosoftのユーザーに対し、Microsoft Teamsはコミュニケーションのコアとなるプロダクトへと成長するだろう」とコメントしています。
引用:TechCrunch「MicrosoftはOffice 365のチャットでTeamsに全力――Skype for Businessはやがて消え行く」
もちろんSkype for Businessもインスタントメッセージ機能で従来のようにチャットツールとして利用できます。しかしMicrosoft Teamsの特徴と鑑みれば、Skype for Businessをチャットツールとして使用する利点は薄れていくでしょう。
今回は、そんなMicrosoft Teamsの気になる概要についてご紹介します。
Microsoft Teamsとは結局何か?
MicrosoftがOffice 365においてコミュニケーションのコアプロダクトになると期待しているMicrosoft Teamsは、Office 365で提供されている数々のアプリケーションのハブ的存在になるチャットツールです。つまりMicrosoft Teamsを使用すれば組織やチームに必要なコミュニケーションツールが統合された環境を整えられます。
≪Microsoft Teamsで使える機能≫
- チャットメッセージ
- ビデオ通話会議
- 音声通話会議
- ファイル共有
- ファイル共同編集
- メモアプリ
- プロジェクト管理
- ツール連携
Microsoft Teamsが登場する以前のOffice 365ではチャットメッセージやオンライン会議はSkype for Businessを、ファイル共有やファイル共同編集はSharePoint Onlineをといった具合に別々のアプリケーションで提供されていました。Skype for Businessで作成した会議スケジュールをOutlookに反映するなどの一部の連携があったものの、Microsoft Teamsのように各アプリケーションのハブになるようなサービスはまだありませんでした。
それがMicrosoft Teamsの登場によってコミュニケーションツールが一つにまとめられ、これまで以上にOffice 365で組織やチームのコミュニケーションを促進できるようになりました。
Microsoft Teamsを使用するには?
Microsoft Teamsで組織やチームのコミュニケーションを促進するためには、Microsoft Teamsを提供するOffice 365プランを契約する必要があります。対応するプランと各プランの特徴をご紹介します。
≪Microsoft Teamsが使用できるプランと特徴≫
プラン |
特徴 |
ユーザー数 |
価格(1ユーザー/月額) |
---|---|---|---|
Busienss Essentials |
Microsoft Teamsを含む複数のコミュニケーションツールを提供。Officeライセンスのサポートは無し。 |
最大300名 |
540円 |
Business Premium |
Busienss Essentialsが提供するすべてのサービスに加えてOfficeライセンスとMicrosoft StaffHub等の管理ツールを提供。 |
1,360円 |
|
Enterprise E1 |
Busienss Essentialsが提供するすべてのサービスに加えてMicrosoft StaffHub等の管理ツールを提供。Officeライセンスのサポートは無し。 |
無制限 |
870円 |
Enterprise E3 |
Enterprise E1が提供するすべてのサービスに加えてOfficeライセンスとインプレース保持や電子情報開示などコンプライアンス機能を提供。 |
2,180円 |
|
Enterprise E5 |
Enterprise E3が提供するすべてのサービスに加えてATPなどのセキュリティ機能と高度な分析機能を提供。 |
3,810円 |
Microsoft TeamsはOffice 365の各アプリケーションを統合するサービスなので、Skype for Businessのようにスタンドアロンサービスとしては提供されていません。利用には上記いずれかのOffice 365プランを契約する必要があります。
他のチャットツールと比べた際の利点は?
チャットツールといえばSlackやChatworkなど無料から使える製品が人気です。こうしたチャットツールと比較した際のMicrosoft Teamsの利点とは何でしょうか?
利点1.Officeアプリケーションと強力な連携
Microsoft Teamsにあって他のチャットツールにない機能といえばOfficeアプリケーションとの連携です。「Excel」や「PowerPoint」といったビジネスでは必須ツールと連携でき、Microsoft Teams上での編集が可能です。複数ユーザーでの共同編集にも対応しているので、ファイル共有スペースを用意する必要がありません。
利点2.様々なツールとの連携
Microsoft TeamsはOfficeアプリケーション以外にも様々なツールと連携します。その数150個以上。タスク管理ツールの「Trello」やカスタマーサポートツールの「Zendesk」、開発者向けツールの「Github」や「Twitter」「Facebook」といったSNSとの連携にも対応しています。
利点3.コミュニケーションを一か所で完結
SlackやChatworkはあくまでチャットメッセージに特化したツールなので、Microsoft Teamsのようにオンライン会議やファイル共有・共同作業など複数のコミュニケーションを実現していません。Microsoft Teamsなら様々なコミュニケーションをツール一つで完結させられます。
Microsoft Teamsで組織力・チーム力を強化
Microsoft Teamsを使用するということは、組織・チームとして円滑なコミュニケーション基盤を手にしたと同じです。スピーディな情報共有とメッセージのやり取りが実現すれば、組織力・チーム力は自然と強化されていきます。組織力・チーム力に課題を感じているのなら、Office 365ならびにMicrosoft Teamsで強化してみてはいかがでしょうか?