リモートワークの制度導入前に考えるべきこと

 2019.11.25  Microsoft 365チャネル編集部

政府推進の働き方改革のもと、補助制度が充実しており、さらにはクラウドサービスの拡充によって機運が熟したともいえるリモートワーク(テレワーク)。今日、多くの企業がオフィスに縛られない働き方を実現しています。

皆さんの会社ではいかがでしょうか?全面的に実施している、一部のみで実施している、試験的に導入している、検討中だがまだ導入していない、対応はさまざまかと思います。まだ導入していないという企業でも、「いずれはわが社も全面的な実施を」と考えていることかと思います。

ただし、そのためにはいくつかの導入課題をクリアしなければいけないのも事実です。そこで本稿では、リモートワークを導入するにあたって企業が考えるべきことを整理していきます。導入には成功もすれば失敗もします。成功するにはどうすればよいのか?そのヒントとなれば幸いです。

リモートワークのメリットとデメリット

導入にあたって何が課題なのか?は、リモートワークを試験的に導入してみるといろいろと判明していきます。しかし企業によっては、試験的な導入も難しい場合がありますね。ならばリモートワークのメリットとデメリットを整理してみれば、何が課題になるかがうっすらと見えてきます。ここでは、従業員の視点と会社の視点、両方から整理していきます。

リモートワークのメリット

<従業員の視点>

  • 通勤時間がゼロなので満員電車や交通渋滞のストレスが無くなる
  • 余裕をもって保育園の送り迎えができる
  • 子供の参観日など行事参加のために全休を取る必要がない
  • 朝の時間をゆっくりと過ごして、スッキリした気持ちで仕事に臨める
  • 災害時等に通勤が困難な時でも仕事ができる
  • 営業は時間や場所にとらわれない活動で顧客との時間を増やせる
  • オフィス⇒顧客先⇒オフィスなど移動の負担が軽くなる
  • 家族との時間や趣味に費やす時間が長くなりプレイベートが充実する
  • いつもリラックスしながら仕事ができるため新しいアイディアが生まれる
  • 地方などあこがれの場所で生活しながら仕事ができる

<会社の視点>

  • 通勤時間が無くなることで交通費削減になる
  • 従業員のワークライフバランスが整うことで生産性向上の効果が期待できる
  • 災害時等、出勤が困難な状況下においても仕事ができるので事業が停止しない
  • 営業に顧客と過ごす時間を増やしてもらうことで売上アップに繋がる
  • 無駄な移動が少なくなることで交通費精算などの事務作業が減る
  • 凝り固まった考え方が柔軟になりイノベーションが生まれやすくなる
  • 幅広い人材活用が行えるため優秀な人材確保に繋がる可能性がある

リモートワークのデメリット

<従業員の視点>

  • 仕事で使うデータが社内サーバーに保管されているので困る
  • デスクやチェアなど仕事をする環境が整えられていない
  • Web会議を行うためにマイク機材が必要になる
  • プライベートとビジネスの切り替えが難しくなる
  • オフィス勤務者とリモートワーカーの間で情報共有に差が出る
  • 管理ツールによって必要以上に監視されているような気分になる
  • 自分の仕事が適切に評価されるか不安になる

<会社の視点>

  • オフィス勤務者のようにタイムリーな業務指導が難しい
  • オフィスの掃除、電話対応や接客など、オフィス勤務メンバーに偏りができる
  • 労働時間管理が難しく、働きすぎになる可能性がある
  • これまでとは異なるセキュリティシステムの構築によりコストがかかる

こうして見れば、リモートワークにはメリットの方が多いようにも思えますが、導入にあたって重大な課題が残されていることも間違いありません。企業は1つ1つの課題を明確にして、それぞれに適切な処置を行い、円滑な導入を目指すことが肝要になります。

リモートワーク制度導入にあたって考えるべきこと

リモートワーク導入は、名ばかりで終わっている企業が実は少なくありません。特に「導入さえすれば自然と効果を発揮するだろう」など、楽観的観点から導入に踏み切っている場合、そのほとんどが失敗に終わります。前述のようにリモートワークにも重大な課題はあるため、それらを解決していくことが成功への近道です。では、リモートワークを導入するにあたって何を考えればよいのかを整理していきましょう。

1. 従来通りのコミュニケーションは可能か?

仕事上の生産性や業務効率に、コミュニケーションの速度が強く影響することは誰もが理解しているでしょう。リモートワークでは少なからず情報交換のライムラグが発生するため、その差をいかに縮めるかがポイントです。一般的にはクラウド型のコラボレーションツールを利用して、総合的なコミュニケーションをサポートします。

2. 十分なセキュリティ要件を確保できるか?

リモートワーカーは自宅やカフェのネットワークを介して社内システムにアクセルするようになるので、今までとは違ったセキュリティシステムが必要になります。VPN(仮想プライベートネットワーク)を構築したり、セキュリティツールを活用したりした強化が必要です。

3. リモートワーカーの勤怠管理は可能なのか?

物理的に離れた場所にいるリモートワーカーをどう管理するかは、多くの管理者にとって悩める問題です。勤怠管理ツールを導入するのもよいですが、従業員に「監視されている」という嫌悪感を抱かせる可能性もあります。時には、ある程度の裁量を与えて、あえて監視しないというのも手段の1つになるでしょう。

4. オフィス勤務者とリモートワーカーの偏りをどう埋めるか?

オフィス勤務者には日常的な仕事のほかにも、清掃や電話対応などさまざまな負担がかかります。リモートワーカーにこれらの負担は無いため、偏りを埋めないと社内から不満の声が聞こえるようになるでしょう。タスクの比重を改めるなどの処置が必要です。

5. リモートワークは全面的に導入すべきか?

リモートワークにはいろいろな形があります。全面的に導入する企業もあれば、営業など一部のみで導入する企業もあるでしょう。職種によってはリモートワークに適さない場合もあるので、全面的か一部か、リモートワークができない従業員に対してはどういった利点を提供するのかを考えましょう。

6. 月に実施時間上限を設定するか否か?

毎月の上限時間を設定することで、リモートワークにより発生する偏りを軽減できるようになります。ただし、場合によっては実施時間を制限しないほうが生産性が高まることもあるので、慎重に決定しましょう。

7. 人事制度をどう見直し、何を評価基準にするか?

リモートワーカーは物理的に離れた場所にいるので、勤務態度を評価するのが難しくなります。そうすると、どうしてもオフィス勤務者の評価が偏りがちになるので、これを無くすために人事制度と評価基準を見直す必要があるでしょう。

8. リモートワーカーの勤務中のけがに労災は適用されるか?

リモートワークでは、在宅勤務やカフェでの勤務においても、勤務中にけがをすると労災が認定されるケースがあります。企業はその条件を明確にしておき、従業員にしっかりと説明しておく必要があるでしょう。

9. 補助制度や助成制度は利用すべきか?

厚生労働省が実施している時間外労働等改善助成金(テレワークコース)や、東京都が実施しているワークスタイル変革コンサルティングなど、リモートワークに関する補助制度・助成制度はいくつかあります。ただし、それらを利用するには条件を満たす必要があるので、自社での利用可否について検討しましょう。

10. リモートワークは本当に必要なのか?

最後に、「そもそもリモートワークは自分たちにとって本当に必要なものか?」を検討してみてください。もしかすると、リモートワーク以外にも生産性や業務効率をアップする方法があり、そちらのほうが適しているという可能性もあります。

いかがでしょうか?リモートワークを導入する際は、以上10個のポイントについて十分に考えた上で、自社にとって最適な形で導入していただければと思います。

まとめ

いかがでしょうか。これから本格的にリモートワークの導入を検討されている企業の方や、すでに導入したものの成果があまり実感されないと感じたらている方は、改めてもう一度ご紹介した10のポイントを見直してみてはいかがでしょうか。

特に現在の業務は使用するシステムやツールにより生産性も大きく左右されますので、ITインフラに関しても同様に見直す良い機会になります。

従業員にとってもメリットの多いリモートワーク制度ですので、是非各チェックポイントを確認の上、適切な導入にお役立てください。

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